マケドニアで事故る

最近マケドニアの首都スコピエでは交通事故が多発しており、
市内の道路を走る時の最高制限速度は50㎞に変わったそうです。

そんな規則が変わるもっと前のこと、私たちも交通事故に遭ったことがあります。
そのまた事故に遭う前のこと、ダーリンとドライブ中に、玉突き事故の現場を通り過ぎたことがあり、
”マケドニアでは事故を起こしたら警察呼ぶの?”と聞いたことがあります。
すると返答は、
”当事者同士で解決できる場合は呼ばないけど、解決できない場合は呼ぶ。”
というような何とも曖昧なもの。
”そうなんだ~・・・”
と、その時は思っていたのですが、実際に事故を起こしてやっぱりそれじゃダメだと気付かされました。

それは小雨の降る日曜日、車も少ない昼過ぎのことでした。
私たちはそんなに急いでおらず、前の信号が黄色になったのを確認し、スピードを落とし、交差点に入る前にちょうど赤になったので、そのまま止まりました。
その時ちょうど隣の車線の車がびゃー!っと走って行ってしまったので、
”赤なのに行っちゃったね~”とダーリンと喋っていると、突然
どーーーーん!!!
とすごい衝撃音とともに、自分の体にも衝撃を受け、
一瞬何が起きたか分からなからず困惑している私をよそに、
ダーリンはすごい剣幕で車を飛び出し、後ろの車に文句を言いに行きました。
そこで、”あぁ、後ろから衝突されたんだ・・・”と気付く私。

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幸い誰も怪我はなく、損傷もそこまでひどくなかったのですが、後ろの車の運転手とダーリンが揉め始め、
ダーリンは”警察を呼ぶ!”と電話をかけようとするのですが、
彼は”呼ばないでくれ”、の一点張り。
とにかく”逃げられたらおしまいだから写真撮っといた方がいいよ。”
とダーリンに忠告し、即事故現場をぱちぱちと写真に収めました。

もちろん、私たちは赤信号で止まっていたので、後ろから衝突してきた方が悪いのは明らかです。
警察を呼べば彼の免許の点数がひかれるか、または400ユーロの程の罰金になります。
400ユーロはマケドニア人の一カ月の平均給料だと言われています。
なかなかぱっと出せる金額でありません。
”だったら車の修理代は全部払え”、とダーリン。
すると今度は信号が赤じゃなかった、とか言い出す運転手さん。
現場で揉めていると、彼の義理の息子という人がすぐにやってきて、ダーリンもこういうことに詳しい友人を電話で呼び出し
事故車の横で大人5~6人が集まって話し合いになりました。
でも雨もだんだんきつくなってきて、ここでは解決できないから、
”すぐそばにある私の事務所に来てくれ”、と運転手。
しぶしぶ現場を離れ、事故った車で事務所まで同行しました。
すると、なんと彼、弁護士さん。
ま~ぁそこでも揉めに揉め、あーいえばこうの繰り返し。
幸い保険に入っていましたが、彼らは全額支払いたくないがために、色々といちゃもんをつけてきます。
揉めながら保険の書類に義理の息子さんが互いの運転手の名前、免許証の番号、事故の状況などを書き込んでいきます。
すると、ふいに彼の手が止まり、何事かと思えば、なんとその運転手のおじさんの免許証の期限が切れていたのです!!

さぁ、これは大変。こんなことがばれたら免許は取り消し、
罰金は何倍にも膨れ上がります。
修理代だけの話どころではありません。
すると今度は、”義理の息子が運転していたことにしておいてくれ!”、とのこと。
”なんじゃそりゃーーーーー!!!!!”
ダーリンもぶち切れです。
私も呆れ果て、空いた口がふさがりません。
まぁ、揉めること揉めること、2~3時間はその事務所にいたのではないでしょうか。
損傷は酷くなかった、と言っても、トランクの蓋は曲がり、きちんと閉まりません。
これは弁償していただかない訳にはいかないですよね。

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その後も色々と揉めましたが、なんとか車の修理代は全額カバーしてもらい、この件は終わりました。
が、お昼寝をした息子をお義母さんに預けて、久々にちょっとリラックスして買い物に出かけたはずが、とんでもないことになってしまいました。この揉めた時間、返してほしいです。
そして、怒りによる精神的ダメージ、同じ交差点に差し掛かるとつい事故のことを思い出したり、赤信号で止まっているとまた後ろから衝突されるんじゃないか、というトラウマ、こんなちょっとした追突事故でも大変でした。

ダーリンは”次事故った時には絶対に何がなんでもすぐに警察を呼ぶ”、と言っておりますが、
そりゃそうですよねヾ(- -;)
まぁ、次はない!と信じたいですが・・・。