この度私たちはマケドニアで中古車を購入いたしました。
この ”マケドニアで中古車を買う” という試みは
想像以上に労力のいることでした。
私は日本では、車は家族のお下がりを頂戴していたので、
自分で車を買ったことがなければ、車に関する処理のあれこれは
全て両親に任せておりました(学生でしたのでご勘弁を・・・)
ので、どのような処理が必要なのかあまり知らないのですが、
マケドニアで車を買うにあたり、日本では絶対ありえなさそうなことが
いっぱい、いっぱいあったので、
”中古車の購入を考え始めてから、実際に買って乗れるようになるまで”
の道のりを、淡々と(笑)ご説明したいと思います。
まず、背景といたしまして、
数年前にはダーリン家族も車を持っていたそうなのですが、
危険な運転をするダーリンを偶然見かけたお義母さんは
家にあった車を全て売り払ってしまったそうです。
男性ではめずらしく?特に車に興味のなかったダーリンは
その後車を購入することはありませんでした。
私たちの住む場所は比較的便利なところにあり、
歩いて大抵のところに行けるので、大人だけで生活するのならば、
なければない、で問題なく過ごせたのです。
でも今私たちにはちびっ子がおります。
以前記載した通り、私たちはスコピエとスツルガを
行ったり来たりの生活を続けており、
移動の度に何だかんだと大量の荷物を抱え
大変な思いをしながらシャトルバスに乗っていました。
また、1月末から子供が気管支炎にかかり、毎日病院に通いつめました。
もちろん病気の子をバギーに乗せて歩いて行くわけにはいかないので、
毎回タクシーを利用しました。
相当利用したので、前回と同じ運転手さんに合うこともしばし。
タクシーに乗ると行き先を言う前に、
”Doma?” (家へ?)と聞かれ、住所は言わなくても
たったかた~とお家まで連れて行ってくれる始末です。
そんなこんなで今後のことも考えて、
車を買おう!ということになったのでした。
実際に動き出したのは年明けの1月頃から。
始めは手当たり次第に親戚や友人など、中古車に詳しい人から
情報を集めていたのですが、情報が多すぎできりがない状態。
色々考慮した結果、今まで家族でお世話になっている
長距離タクシー運転手のGさんが
中古車も販売しているとのこと。
以前から車購入の相談にものってくれており、
私たちの予算に見合う新しい中古車が入るたび
情報も送ってくれていたので、
そこで売られている車に目星をつけて、
実際に見に行くことにしたのです。
Gさんがいるのはスコピエ市から車で1時間半ほどの場所。
当然私たちは車がないので、ダーリンの友人に頼んで
そこまで連れて行ってもらいました。
誰かに頼まなければ、そこまでたどり着けない状況。
何度でも気軽に見に行けるわけではない私たちは
Gさんからもらっていた情報を元に、目星をつけた車を
購入し、その車に乗って帰ってくる予定で出かけたのです。
一番気になっていた車(ルノー・セニック)を
試乗させてもらい、ダーリンも気に入った様子。
購入後何か不都合があれば他の車と変更することもできる、
と言われ、その場で ”これで!” と決めました。
書類の処理が終わったらこの車でスコピエまで帰るから、
と言い残して、ダーリンは買う予定の車に乗って
Gさんと仮登録と支払いに出かけて行きました。
半時間くらい待ったでしょか。
戻ってきたダーリンは何やらGさんともめている様子。
”Nema chance, Nema chance!! No, Nooo!!!”
(ありえない、ありえない!!そんなはずはないよ!!)
Gさんの怒号がとびます。
何やら数字の話もしている・・何が起こっているのか・・・
ただただ不安な私。
心配そうに佇んでいると、ダーリンから
一緒に来てくれた友人の車に乗るように言われ、
そのまま友人の車で帰宅の途についたのでした。
その一部始終とは・・・
Gさんが仮登録を行っている間、車で待っていたダーリンは、
Gさんから手渡された書類に車のプレートナンバーが
記載されているのを発見しました。
そこでルノーのサービス会社で働く友人にその番号を送り、
この車の”真の”情報を調べてもらったのです。
すると聞いていた走行距離と、実際の走行距離が
全然違い、車の点検も正しく行われていなかったということが
分かったのです。
その友人によると、この車はいつエンジンがストップしても
おかしくないから買わない方がいい、とのこと。
こうして私たちの車購入の話は振り出しに戻ってしまったのでした。
さようなら、私たちのルノー・セニック・・・
次の日、私たちが購入を考えていた車は
5万円ほど安くなって売られていました。
つづく・・・